思春期の悩みを持つ親のための特徴まとめと乗り越え方
「しつこいなーっ!」
「わかってるって!」
「もうかまわないで!」
「放っておいて!」
「うるせー クソババア!」

おめでとうございます!

大切に育ててきたお子さんが、いよいよ思春期と言われる自立の時期を迎えましたね。

まずは、心の中で「ヤッター!」とガッツポーズをして喜びましょう。

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思春期の悩みをもつ親御さんが押さえておきたいこと

えっ? それどころじゃない?

『他人事だからそう言えるんでしょ! 当事者は大変なんです。こんな大変な思春期がいつまで続くのか、いつまでも終わらないような気がする私の身にもなってくださいよ!』

はい、他人事です。でも、他人事だからよくわかるんです。
私もその時期には、よくわかりませんでした(^^;)

 

思春期は反抗期とも言われるくらいですから、反抗がつきものことが多くてやっかいです。
でも、思春期に反抗がない方がよっぽど怖いんですよ。

Aくん「親が共働きで帰ってくるのが遅いから顔を合わせないし、そもそも会話がない」
※いざという場面で決裂する、親の役目放棄型超危険パターン
Bさん「お父さんお母さん大好き、何でも言うことを聞いてくれるし仲良し親子だもん」
※将来に「親子共依存」という大きな不安を残す、隠れ危険パターン

偉そうに言っているけど、あんたに何がわかるの!

申し遅れました。
私は公立中学校の教員として長年勤務し、思春期真っ只中の中学生を指導している中でたくさんの事例を見てきました。

そして、私自身がうちの男の子2人を育ててきましたので、よく分かるつもりです。
さらに、訳あってカミさんよりも子育てや子供の教育には私(父親)の方が深く関わってきたものですから(^^;)
※このあたりの事情に??と思った方は次の記事を読んでいただければ納得してもらえることとおもいます
子供のしつけにイライラしたら叩く前に読んでほしい犬のお話

反抗期があって良かったですね(^^)/

でも、反抗期があるからと言って喜んでばかりはいられません。

大変」と言われますが、それって一大事で困ったということですよね。

 

でも、できれば、「大変=大きく変わる」というイメージをもってください。

 

お子さんも自立の時期を迎えて親離れしようと大変なんです。
そして大きく変わろうとしています。

親御さんも大変でしょうが、大変大変と言ってばかりいないで、親もこの機会に親子関係を見直し、大きく変わることを目指すことを私はお勧めします。

親が変われば子どももきっと変わります。

 

今、変わり目が見えないと言うことは、このまま行けば変わらない可能性が高いということです。だから、今まで通りの対応をしていくと、お子さんが長い回り道に迷い込むかもしれませんよ。

 

思春期の特徴をわかりやすくまとめた5大ポイント

思春期は始まりが何歳でいつまでに終わりを迎えるといった年齢的なものは決まっていません。

多くの場合は小学校高学年から中学校にかけてとなりますが、個人差がとても大きいです。
その思春期の特徴を5つにまとめてみました。

 

①理由なんてないよ

大人だって理由もなく何となくイライラすることってありませんか?

思春期はいつもそのようなイライラをベースにしているし、キレやすいと考えてはいかがでしょう。

だから、本人にしても理由が分からないときがあるんです。

 

幼児は自分を客観視できません。
でも、思春期を迎えると自分を見つめるもう一人の自分が現れます。

すると、自分は他の人からどう見られているか、特に異性の目が気になったりします。

服装に興味が出て理想の自分を思い描く一方で、自分の劣るところにも目がいきます。

だから、いつもどこかに不安を抱えて不安定なのかもしれません。

 

そんな時に一番嫌なことは何でしょう。
そう、しつこくされたり、理詰めで来られるときっと嫌でしょうね。

 

②戸惑う初めてのこと

人間、誰もが初めてのことには戸惑い、心の中で「大変だ~」と叫びます。

「大変=大きく変わる」でしたね。

 

この時期は第二次性徴の時期でもあります。

つまり、身体が子供から「子孫を残せる大人の身体」に変わる大変な時期です。

 

女の子は胸が膨らみ、初潮を迎えます。
皮下脂肪が増えて身体が丸みを帯びてきて、顔も大人っぽく変化していきます。

男の子は大切なあそこが大きくなり、精通を迎えます。
声変わりし、脇毛やヒゲが生えてきます。肩幅が広くなり筋肉が発達してきます。

こんな変化が自分の身体に起こったら戸惑って当然

しかも現れる時期が人によって早い遅いがあってバラバラなのが戸惑いを強くします。

 

①の通り、思春期は自分を客観視できるようになり、人からどう見られているかが気になる時期です。

当然、自分の身体のことが気になり、時には身体的特徴などでコンプレックスを抱えることになります。

異性への興味が増すことと合わせて、まさに大変な時期と言えます。

 

③独り立ちしたいけど○○がない

「うるせぇなー」とドアをバタンと閉めて行く。

そうかと思うと急に「ねぇねぇ」とすり寄ってくる。

その変わり身の早さに付いていくのは大変です(^^)/

 

「今日から私は自立しました」…そんなことはありません。

やっかいなのは少しずつ自立していくのではなく、波があるということ。

時には甘えたり、親の言うがままに行動する依存傾向を見せることもあります。

一方、自立傾向は反抗や攻撃といった形で出ることもあるわけです。

 

巣立ちを迎えたヒナが飛びたってみても、不安でまた巣に引き返すようなものです。

つまり独り立ちしたいけど自信がなく、親から突き放されると寂しいんです。

 

④親と買い物なんか行かない

「一緒に買い物にいかない?」
「行かな~い」「今度家族旅行で〇〇に行こう!」
「私行かないから…」

親にしてみればガッカリですが、これも思春期の特徴。
子どもにしてみれば親と一緒にいる場合じゃないんです。

 

この時期の特徴として、学校では友達にどう思われているかが気になり、ひとりぼっちになることを恐れます。

いつも先生にくっついてるような生徒はまだ幼くてこの段階に来ていないか、すでにひとりぼっちになりかけている可能性があります。

 

この時期は友達と同調した言動もよく見られます。

体育祭や合唱コンクールに向けてクラスで団結して異様に盛り上がるのもこの頃ですし、万引きや喫煙など安易に友達と同じ行動をしてしまうのもこの時期です。

 

⑤壊さないと作れない

男の子は一旦壊して自分の基準を作りなおす、女の子は少しずつ自分の基準に変えていく
イメージはこんな感じです。

今まで一方的に押しつけられていた価値基準や規範意識を自分の基準で作る

これも自立に向けた変化の中で大きなポイントのひとつです。

 

自分を客観視できるようになると共に、親や教師や社会も客観的に見ることができるようになります。

当然、不合理なことに気付き、矛盾に腹がたちます。

 

自分では何一つできないくせに、意識の中では潔癖までの正義感を持っていたりするわけです。

そして現実の自分とのギャップに嫌気がさして落ち込んだりします。

さらに、訳もなくモヤモヤしたり、無気力になったりします。
だから思春期は情緒不安定なんです。


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思春期の乗り越え方(親編)

①理由なんてないよ

理由もなく何となくイライラしている子、時には放っておきましょう(^^)/

子どもは自分を客観視できるようになると、親に対しても客観視するようになります。

 

子供が親を頼ってきたり、聞いてきたときは「この時とばかり」、いくら忙しくても、一旦手を止めて、きちんと子供の目を見て話を聞きます。

でも、イライラしていたり、押し黙っているようなときに根掘り葉掘り聞き出そうとするのは禁物です。

また、偉そうに、「そういうときは○○して」などとアドバイスするのも禁物。

 

そんなときは触れないのが一番!
子どもは親の言うことの矛盾点を見付ける天才だということをお忘れなく。

 

②戸惑う初めてのこと

思春期は第二次性徴で身体が成熟に向けて大きく変化する時ですから、子供自身戸惑いをもつことが多く、平静を装っていても心の中では「大変だ~」と思っている場合があります。

この時期に注意すべきことは、親子とはいえ男女の性を尊重すること

 

子どもの身体の変化を茶化す、裸のまま子どもの前に出るといったことは慎みましょう。(特に異性の子には…)

そして、温かく見守ります。

 

もし、子どもが深いコンプレックスや悩みを抱えているようなら早めに気付いてフォローする必要があります。

大人にとってはたかがにきびが、子供にとってはにきびが深く重い悩みの元になっていることもあるんです。

 

③独り立ちしたいけど○○がない

まさに、依存と自立の間で揺れ動いているわけですが、そんな時に、

「何だその口の利き方は!」
「いいから、こっちにきて座りなさい!」

こんなことをして追い詰めたら修羅場を見ます。

この時期に避けたいのは深追いと真っ向勝負。
振り向いた時に応え、離れるときには深追いしないことをお勧めします。

 

今後、テレビを観ることがあったら、バラエティ番組の司会者やタレント、お笑い芸人を観察してみてください。

人気のある司会者やお笑い芸人ほど、何かを言われたときの切り返しがとても上手です。
5回に1回くらいは彼のようにサラリと上手にかわしてみたいですね。

 

④親と買い物なんか行かない

いつも親と仲良しでベッタリ買い物に付き合うのを喜んでいる場合ですか?

現れ方に個人差があるので過敏になる必要はありませんが、仲良しを喜んでいる場合ではないかもしれませんので一応注意を払いましょう。

 

むしろ、親ではなく、友達とお出かけするようなら安心です。

そうなると今度は気になる友達もいるでしょう。

 

でも、「あの子とあまり付き合わない方がいいんじゃないの」は親として最低の言葉。

そう言うけど、「あの子」は本当に良くないの!
そうお思いかもしれませね。

でも、その場合であっても「あの子」だけが悪いわけじゃありません。

「あの子」を求めているお子さんも引き合う何かがあることを忘れないでください。

 

むしろ、「〇〇くんって、やさしいんだね」「あの子は責任感強いんだね」と
いいところを探しましょう(^^)/

 

⑤壊さないと作れない

「男の子は一旦壊して自分の基準を作りなおす、女の子は少しずつ自分の基準に変えていく」
そんなイメージのお話をしました。

この時期のお子さんは善悪の判断や価値観などについては、親よりも一段と厳しく考えている場合があります。(行動は伴っていないのですが(^^;))

親子で話をしていても

「お母さん、この前はこういっていたじゃない!」とか
「それっていつも言っていることと違うよね」
「偉そうなこと言ったって、ママだっていつも○○してるじゃない!」

こんなふうに言ってくることも多いと思います。

矛盾点をつかれたら…

・無視はやめましょう。言い訳もやめましょう。
・テレビの上手な司会者のようにサラリとかわすか、それができなければ「そうだね、あなたの言うとおりだね」と素直に向き合いましょう。

思春期の悩みを持つ親のための特徴と乗り越え方のまとめ

私には2人の男の子がいます。

すでに、2人とも成人していますが、フッと思うことがあるんです。

・いろんなことがあったけど、やっぱり子供がいて良かったなぁ
・赤ちゃんの頃は夜泣きで大変だったなぁ、でも自分はそのおかげで我慢強くなったのかもしれないな
・海にも行った、キャンプも一緒にした、博物館にも動物園にも行った。子供がいなかったらこんなにたくさんのことを経験しなかったのかも
・小学校の子供の保護者会で出会った人、部活の保護者仲間、おかげで付き合う人も広がったな、今でも続いている仲間が何人もいてすごいよね。

ロープウェイで楽して一気に頂上に立つのもいいけど、汗をかき、ハーハーいいながら登る登山はまた違う価値があるように、苦労して悩みながら頑張って続ける子育てにも、大きな満足感が来ますよ、きっと(^^)/

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