あるテレビ番組で「踊れない芸人」として踊りが苦手な芸人たちが「ダンシング・ヒーロー」「ヘビーローテーション」などの振りつけに挑戦しているコーナーがありました。
上手に踊れない芸人を見てスタジオは大爆笑です。
でも、これは見方を変えればある種のいじめですよね。
ここでは
✔ いじめの原因はいじめられる側?
✔ いじめの対処法
について書いてあります。
いじめられている中学生から読んでいただければありがたいし、小学生や中学生のお母さん、お父さんから読んでいただきたいです。
目 次
いじめはなくならない! その原因とは?
そういえば、同じテレビ番組のコーナーに「運動神経悪い芸人」なんというのもありました。
どれも苦手な人が必死に頑張ってもぎこちない動きをするのをみて面白がっています。
必死に頑張っても上手にできない人を見て笑う。
ここで忘れてはいけないのは、彼らは芸人であり、プロということ。
これでギャラをもらっている、これが彼らの仕事なんです。
でも、これが学校だったらどうでしょう?
今は小学校や中学校でダンスの授業が必修となっていますが、苦手な子どもにとっては耐えられないでしょうね。
体育の授業で上手にできない人を見て笑うようなことがあれば、とても苦しい授業になるでしょう。
同様にテレビのお笑い番組では、ボケとツッコミが叩き合ったり、熱い食べ物を顔に押しつけたり、罰ゲームをさせて笑いをとるようなものがあります。
もちろん、これをやっている彼らはプロで、ちゃんとギャラをもらっています。
そうでなければ、これらは単なるいじめになってしまいます。
さらに、こういう番組がちゃんと視聴率を取れているので続いているわけです。
つまり、視聴者である私たち(もちろん全員ではないでしょうが…)の中に「人をバカにしたり、いじめて喜ぶ」あるいは「人がバカにされたり、いじめられているのを見て喜ぶ」気持ちが潜在的にあると思って間違いないでしょう。
だから、いじめはなくなりません!
そして、なくならないことを前提に「いじめに対処する力、対抗する知恵」が必要です。
いじめの原因はいじめる側? いじめられる側?
「いじめはいじめられる側にも問題がある」
…これは明らかに間違いです。
いじめについての学校の先生の認識
かつて、こんなことがありました。
以前、私が中学校に勤務していたときに、文科省から降りてきた教員の意識調査が行われたことがあります。
ある学校で集約したところ、ほとんどの教員が、「いじめはいじめられる側にも問題がある」にチェックを入れたそうです。
ところが、集計結果を見たその学校の校長はそのまま教育委員会に報告をせず、調査票を本人に戻し、指導をした上で書き換えさせたということです。
現在はそんな認識の甘い教員はいないと思いますが(^^;)
いじめの原因は…
いじめの原因は、「いじめる側の心の未熟さ」です。
他の人をバカにしたり、欠点をあげつらったり、特定の人をいじめることで自分を優位な位置に置こうとしています。
あるいは、怒りとかイライラといった自分のストレスを、未熟な心のために上手にコントロールできなくて、弱い人をターゲットにして憂さ晴らしをしているわけです。
ある人がどんなにダンスが下手だろうが、運動音痴だろうが、先生の質問に間違った回答をしようが、それで笑われるとか、それを元にいじめる理由には到底なりません。
ましてや、親や家庭環境であったり、容姿や服装などの外見であったり、人見知りといった性格、さらに学力や成績がいじめの理由になることは絶対にありません。
いじめの原因はいじめる側に100%の責任があって、いじめられる側にはまったく責任はないわけです。
いじめの対処法 小学生や中学生はどうすればいい?
いじめはなくならない!
多くの学校が地域を挙げて「いじめゼロ運動」を推進しています。
それらの取り組みが功を奏していじめが根絶されれば理想です。
ただ、最初に書いた通り、「いじめをして喜ぶ」「いじめの場面を見て喜ぶ」気持ちを持つ人がいる限りいじめはなくなりません。
先の番組のようなものが視聴率を取れている現状では難しいでしょうね。
責任はなくても工夫はできる
✔ 教室の机の中のノートに落書きされた
書いた人が100%悪いのですが、困るのは自分、次からノートを学校に置かない工夫ができます
✔ ロッカーに入れておいた物が盗られた
盗んだ人が100%悪いのですが、嫌な思いをするのは自分、次からロッカーに物を置きっ放しにしない工夫ができます。
工夫できないものもある
✔ デブと言われていじめられた
肥満は健康にも良くないのでこの際、やせる努力をしてみることができます。
★でも、身長が低い、あるいは高いといったことは努力ではどうしようもありません。
✔ 髪が不潔だと言われた
特に長い髪で手入れをきちんとしないと不潔感が出ることがあるかもしれません。
★でも、白髪や縮毛など、生まれつきのものはどうしようもありません。
性格や対人関係は…
✔ 暗いと言われた
物静かで穏やかな性格を暗いと勝手に言っているだけかもしれません。
★でも、「私って暗い?」と信頼のおける学校や塾の先生とかに率直な意見を聞いてもいいかもしれません。
※親に聞いても参考にならないことが多い気がします(^^;) 友達に聞くのもいいですが、聞く相手を慎重に選ばないといけません。
✔ 空気が読めないと言われた
これも先ほどの「暗いと言われた」と同様に「オレって空気を読めないかなぁ」と相手を選んで聞いてみることができます。
身長の例のように変えられないこともたくさんあります。
それはどんなに努力しても変えられないのですから、悩む必要はまったくありません。
もちろん、変えられることもあります。
これは将来の自分のためにもぜひ変えていきましょう!
ただ、何を変えればいいのか、これはなかなか自分では気がつきにくいのが本当のところです。
正しいことをしていてもダメなことってありますから…
ある少女のお話
ある学校に勤務していたときに、地域の祭りに希望者が参加することになりました。
会場近くの公園に集合した時のこと、ある女生徒が土の中から掘り起こしたの?と思われるような泥だらけの空き缶を拾ってきて私のところに持ってきました。
私は心の中でつぶやきました。
「この空き缶を俺にどうしろってんだ!」と(^^;)
空き缶を拾って捨てるのは良い行動、正しい行動です。
でも、みんなが法被を着て、さぁこれから祭りに行こうとする直前、あまりにもタイミングが悪いです(^^;)
彼女は学校で少しいじめられる傾向にありました。
正直のところ、彼女と四六時中いっしょにいる同級生がいじめたくなる気持ちがその時になんとなくわかったような気がしました。
これを他人が指摘して本人に理解してもらうのはなかなか難しいと思います。
ですから、自分自身で「私にはどんな工夫が必要だろうか」…そんな自問自答が上手にできるといいですね。
いじめはなくならない! 原因といじめられる側の対処法のまとめ
いじめられている側の人に対して
「あなたは悪くない、何も変える必要はない、そのままでいいのよ!」
という言葉を耳にします。
でも、私はそう思いません。
なぜなら、いじめる側の心の成長に期待できないとすれば、状況はまったく変わらないのですから…。
「あなたは悪くない、でも、より素晴らしい未来に向けてどんどん変わっていきましょう!」
現代は、めざましい技術革新があり、急速に変わる社会です。
「現状維持は後退」
「現状維持は退化」
とも言われます。
他人と比べる必要はまったくありません。
でも、昨日の自分より今日の自分、今日の自分より明日の自分と、すばらしい未来のためにどんどん進化していきましょう(^^)/
最後に一番大切なことを!
どんなに努力しても、どんなに工夫しても「いじめ」の魔の手が自分に襲いかかってきたら…。
どうしようもないときには学校に行かない選択をしてください。
学校に行かなくたって大丈夫ですから!
やさしいパパ、ママ。
理解のあるお母さん、お父さんであればこそ、なかなか本当のことを言えないで悩んでしまうこともあるでしょう。
でも、勇気をもって親に話してください。
親がダメなら、子どものSOSの相談窓口などの相談機関でもいいです。
今回だけは必ず誰かに助けを求めましょう。