子どもが成長して小学校高学年になったり中学生になると、なかなか親の言うことを聞いてくれません。
もちろん、幼児の時にも2歳頃には、何でも「イヤイヤ」と反抗する時期もありますし、4才頃のように「なんで?」「どうして?」と質問攻めになって言うことを聞かない時期もあります。
でも、さすがに思春期を迎えた子どもを親の思い通りにすることは至難の業で、中学生の親は悩みが絶えず、ストレスがたまってしまいます。
中学生の親って「もう疲れた!」って叫びたいときだってありますよね。
そこで、中学生の親で関わり方をどうしようかと悩む方のお役に立てればと思い、中学生と親の会話の良い例と悪い例を作ってみました。
中学生の親がうざいと言われるワケ
中学生が親にうるさいなぁと思っていることは多いと思いますが、中学校に勤務していた頃に保護者の方からお聞きした様々な事例を思い起こしながら考えてみました。
中学生でも親に甘えることがあります。
でも、甘えたと思う時もあれば、急に無口になる日もあるし、親に反抗的な態度を取ることもあります。
簡単に言うと、思春期を迎えた中学生は親離れをしようとしているんです。
ところが、親離れをして自立するには身体は成長していても心がついていっていない場合が多く、行きつ戻りつするものだから、時には甘えてきたり、時には反抗してきたり振幅の幅が大きくなってしまうんですね。
そんな不安定な場面で、親の対応がまずいと、時には親にムカつく中学生だってたくさんいることでしょう。
まぁ、親のことをうざいとか、うっとうしいと思うならまだいい方で、あまり追いつめてしまうと中学生は親に嘘をついたり、はけ口を求めて非行に走ってしまう場合だってあります。
中学生は親であってももちろん思うとおりには管理はできません。
そこで、中学生の子と上手にコミュニケーションを取りながら、うまく思春期を乗り越えていきたいものです。
中学生の親 関わり方の良い例 悪い例
さぁ、それではさっそく中学生と親との会話の望ましいと思われる事例と、あまり好ましくないのではと思われる事例をご覧ください。
中学生の子どもと親のよくありがちな事例
母親がパートの仕事を終えて帰宅し、あわただしく夕食の支度を始めているとA子が帰ってきた。
「お帰り」
A子は中学1年生、5年生の弟がいるお姉ちゃんで同級生の中では大人びた方だ。
「ただいま」
A子はそういうなり2階の自分の部屋に行ってしまった。
いつものことである。
(そうそう、ちょうど醤油がなくなっていたんだった。A子がお使いに行ってくれると助かるんだけど……、弟はきっと遊びに行っただろうし…)
そう思いつつも、しょうがないと自分に言い聞かせて、ついでに野菜も買おうと近くのスーパーまで自転車で出かけた。
買い物を済ませて帰ってくると居間からテレビの音が聞こえる。
玄関に買ってきた品物が入った袋を置くとそこに回覧板がある。
この頃頻繁に来るんだから…。
どうせ大した内容でもないだろうと見ると公民館で行われる展示会のお知らせである。
「至急回覧?こんな急に回さないでよ」
つぶやきながら台所に向かうと居間で娘が寝転がってテレビを見ている。
「あ~、ちょっとダメ」
「至急回覧なのよ、今何もしていなんだからいいでしょ」
「これから勉強するところなの」
「ほんのちょっと行くだけじゃない!」
「ほんのちょっとだけなら自分で行って来れば!」
「これから夕飯の支度でしょ!テレビ見てるんだったら行ってきてよ!」
「だからダメだって言っているでしょ、しつこいなぁ」
「しつこいとは何よ!親に向かってそんな言い方するもんじゃないでしょ」
「それがしつこいってんだよ、ばばぁ」
そう言うなりA子は2階に駆け上がっていった。
「なんだよ、急ぐとか言って人に頼んでおきながらそのままにして」
すると玄関に母が顔を出した。
「A子、ついでにそれお隣に置いてきて!」
「今日は早く学校に行かなきゃいけないの、だからダメ!」
「早く行かなきゃならないんだったらもっと早く起きればいいでしょ! そうやっていつも言い訳ばかりしてるんだから」
「うるさいなー、朝からガミガミ言わないでよ!」
こんなふうに親がうざいとストレスは中学生だって持ちます。
でも、いつもこんな感じのやりとりでは中学生の親はイライラが募るばかりになってしまいます。
悪循環ですね(^^;)
中学生の娘と親の会話がこんなだったら…
母親がパートの仕事を終えて帰宅し、あわただしく夕食の支度を始めているとA子が帰ってきた。
「お帰り」
A子は中学1年生、5年生の弟がいるお姉ちゃんで同級生の中では大人びた方だ。
「ただいま」
A子はそういうなり2階の自分の部屋に行ってしまった。いつものことである。
(そうそう、ちょうど醤油がなくなっていたんだった。A子がお使いに行ってくれると助かるんだけど……、弟はきっと遊びに行っただろうし…)
そう思いつつも、しょうがないと自分に言い聞かせて、ついでに野菜も買おうと近くのスーパーまで自転車ででかけた。
買い物を済ませて帰ってくると居間からテレビの音が聞こえる。
玄関に買ってきた品物が入った袋を置くとそこに回覧板がある。
この頃頻繁に来るんだから…。
どうせ大した内容でもないだろうと見ると公民館で行われる展示会のお知らせである。
「至急回覧?こんな急に回さないでよ」
つぶやきながら台所に向かうと居間で娘が寝転がってテレビを見ている。
「あ~、ちょっとダメ」
「そう。至急回覧なの、後でいいから行ってくれる?」
「これから勉強しなきゃなんないんだ」
「ふ~ん、勉強前の一休みってとこか」
「そういうこと」
「わかった、私がいくわ、今度また頼むね。」
「うん」
母があわただしく夕食の準備を始めるとA子も「よし、やるか!」と言ってテレビのスイッチを消
した。
「お母さん、忙しかったから忘れたのかな? でも私も今日は早く学校へ行かなきゃなんないし」
すると玄関に母が顔を出した。
「あらら、回覧板のことすっかり忘れていたわ」
「ごめんねお母さん、今日は急いで学校へ行かなきゃなんないの」
「いいわよ! 私が忘れていたんだから、今度時間がある時にお手伝いしてね」
「は~い」
「気をつけていってらっしゃい!」
中学生の親のストレスは半端ないと思います(^^;)
でも、このお母さんのように心を広く構えていると…。
そう、中学生の親が見守るという姿勢を大切にしていると家庭内で繰り広げられるやりとりが変わってくるような気がします。
中学生の親の心構えはどうすればいい?
子どもが幼い頃はお父さんが仕事を続けて、お母さんが家庭に入って子どもの面倒を見るというパターンは意外と多いと思います。
でも、子どもの成長に合わせてパパだけでなく、ママもお仕事を持つ方が増えていき、そうなると確かに親は忙しくなります。
会社では母親であることなどおくびにも出さずに仕事に取り組み、帰宅早々夕食の準備、それが終われば後片づけ、そして洗濯と続き、一息つく頃には睡魔が襲ってきてしまう場合も多いのではないでしょうか。
ところが、思春期に差しかかった子どもは超わがままで自分勝手に見えます。
そして何か言えば「今するとこだったのに…」とか「忙しいからダメ」というのが口癖です。
それでも、子どもの教育のためと思い、中学生の親はどうしても干渉しがちになります。
その結果、中学生が親をうざいと感じて反抗的な態度を取られてしまうと、ほとほと疲れて親子関係に悩む方も増えるのも当然です。
では、中学生の親の心構えはどのようにしたらいいんでしょう。
まず、子どもの成長という視点で考えてみると、
素直だったのはまだ他律的に生きていかなければならない段階で、
言うことを聞かなくなってきたのは、大人にコントロールされないで自分で自立しようとし始めた段階だと言えます。
つまり大人への階段を立派に一歩登り始めた証拠です。
私たちはもう大人になって何年も経つじゃないですか。
ですから、心身共に不安定な思春期の子どもに相対するときは、懐を広くもって子どもの一言一言に過剰に反応しないことがコツではないかと思います。
もしかしたら、中学生のお子さんも親との関係を悩んでいるのかもしれません
もちろん、我が子ですから、腫れ物に触るように遠慮する必要はありません。
家族の一員なのですから頼みたいことは遠慮なく言っていいと思います。
でも、子どもにも都合はありますから深追いしないことが思春期を迎えた中学生に接するコツ。
そして「今度またお願いね」と一言加えることがとても大切。
それに対して子どもが「は~い」と言ったらしめたもの。
即座に「ありがとう」と言いそれでその場のやりとりは打ち切ります。
子どもにしてみれば、親の頼みごとを聞かなかったのに最後に「ありがとう」と言われるんです。朝からガミガミ言われるのと大きな違いです。
この「ありがとう」と言う言葉の蓄積は子どものやる気を引き出す大きな力になると、数多くの中学生の生徒と接してきた経験者として実感しています。
思春期は中学生に限定されません。小学校高学年から高校生までお子さんによって異なります。
中学生の親がうざいと言われる前に関わり方の心構えを変えるまとめ
幼い子ども達が成長と共に手がかからなくなった中学生の親は、仕事をしながら子育てする場合が多いでしょうから大変なこともたくさんありますよね。
中学生の親に心配は尽きませんが、もうひと頑張りしていきましょう。
それが中学生の親の責任でしょうから(^^)/