近親者にご不幸があると心が沈むばかりか、その後の行動をどうしたらよいのか迷うことがあります。
喪中に親友から結婚式の招待状が来た。
こんな時はどうしますか?
もっと大変なのは、ご自分の結婚式を計画しているときにご不幸があったり、さらに、招待状を全て出し式を間近に控えている場合です。
そんな時のベストな対応をまとめてみました。
喪中に結婚式をしてもよいか、延期すべきか
喪中にはお祝い事を控えるのが一般的です。
一般的と書いた理由は、そもそも喪中の範囲や期間が法律などで決まってはいないからです。
そして、一般的には範囲や期間は慣習によるところが大きいのですが、最終的には、最後はご本人を始めとした関係者のお気持ちが一番大切です。
一般的な例
喪中の範囲と期間
喪中の範囲を調べると事細かに範囲や期間が書かれている場合があります。
その場合は太政官布告『忌服令』に基づいている場合が多いのですが、すでに昭和22年に廃止されています。
現代では、地域や考え方によって違いがありますが、おおむね次のような例が多いです。
父母・義父母 | 約1年 |
子供 | 3ヶ月~1年 |
祖父母 | 3ヶ月~半年 |
兄弟姉妹 | 1ヶ月~6ヶ月 |
曾祖父母・叔父叔母 | 喪中としない |
※兄弟姉妹や祖父母については別居の場合喪中としない場合が多いようです。
結婚式を延期する
結婚式がまだ計画段階であれば喪中期間を過ぎてからがベストです。
喪中期間であっても、当人同士や近親者、友達は問題ない場合が多いですが、親戚の方の中には厳しいお考えの方もいらっしゃいます。
より多くの方の祝福をいただいて結婚生活をスタートさせたいと思うのであれば、延期するのが一番いいです。
結婚式を予定通りする
すでに結婚式の招待状を出している、あるいは数日後に式が迫っているときは難しい判断を迫られます。
この場合は式場のキャンセルはもちろんですが、出席者の方もすでに予定を組まれている場合が多いでしょう。
筋を通して結婚式をキャンセルしたり中止するのは結構ですが、影響がとても大きくなります。
知り合いのお二人のお話です。
結婚式を10日後に控えているところで、彼氏の祖母が突然体調を崩してそのまま帰らぬ人となるということがありました。
既に、準備がほぼ万端が整っている状況ですが、同居の祖母ですから少なくても3ヶ月は喪中というのが一般的です。
もちろん祖母も結婚式に出席予定でした。
結局この時は結婚式を予定通り行いました。
なぜなら、おばあちゃんは孫の結婚式をとても楽しみにしていたからです。
もしスジを通して結婚式を延期したら、すでに亡くなっているとはいえ、おばあちゃんが一番悲しむと思われたからです。
結果的にはとても素晴らしい結婚式と披露宴となりましたが、
振り返ると、そこにはお二人のきめ細やかな配慮がありました。
まずは、両家の両親に相談し、方針を決めた後は、親戚の方すべてにこのことを連絡して了解してもらいました。
さらに披露宴の最後の新郎挨拶で、小さい時からおばあちゃんに可愛がられたことや、この式をとても楽しみにしていたことをお話しました。
そして、世間一般の常識から見ればおかしいと思われるかもしれないが、亡きおばあちゃんはきっと喜んでくれるであろうことを話し、列席者の皆さんにお詫びしたのです。
ここまで心を尽くしているこの結婚式を誰が非難できましょうか。
世間一般の慣習だからダメとか、もう予約してあるからするというのではなく、関係者や出席者の皆さんが気持ち良く祝福できる方法をぜひ探ってください。
喪中 結婚式に招待されたらどうすればいい?
忌中は出席を控えます
死はけがれたものと古くから考えられてきました。
そして、祝いの場所にはけがれを持ち込まないこととされてきました。
浄土真宗やキリスト教では死をけがれとはとらえていませんが、四十九日を過ぎるまではお祝いの席には出席しないのが一般的です。
相手が上司であったり、無二の親友であったりすると決断に勇気もいるでしょうが、出席を控えましょう。
まだ出欠席の返事を出していないのであれば、
「やむを得ない事情により欠席させてください」
と書いて返信します。
お祝い事に不幸なことがらを持ち込むのはタブーですので、
「〇月〇日に祖母が他界して忌中のため」などと書いてはいけません。
良識のある方なら、その文面で理解してくれるでしょう。
仮に出席の返信をしているのであれば、速やかに「その後、やむを得ない事情が生じたため…」とお断りの連絡をしましょう。
もし、「どうしたの?」と聞いてきたら、その時は口頭で簡単に伝えるのがよいでしょう。
その上で相手方があなたの悲しみに配慮しつつ
「私どもは気にしないので、あなたさえ良ければ、ぜひ出席をお願いしたい」
と言ってきたら、それこそあなたが「おめでとう」と言える心境であれば出席を考えるのもいいでしょう。
お出かけになるようでしたら、忌中でも忌を避けるお祓いを受けることもできるようですよ。
とてもお祝いの気分でなければ、あくまでも固辞するのがベストです。
喪中も一般的には遠慮します。
喪中の場合も一般的には結婚式の出席を遠慮します。
ただ、喪中の範囲や期間は一定の決まりがあるのではなく、あくまでも慣習ですので、忌中の時に比べると若干ゆるく考える方が多いようです。
あとは、亡くなった方とあなたのご関係、そしてご不幸があってからの期間。
さらには結婚式を行う方とあなたの関係を総合的に考えて決めましょう。
たとえば、あなたのご両親のどちらかにご不幸があった場合などは、いくら49日が過ぎたからといって出席するのは考えものです。
でも、祖父が3ヶ月前に亡くなった場合でも、素晴らしい生き方をされて年齢も90才を過ぎ、身内の皆が大往生だったねと言うような場合であれば何ら問題はないと思います。
結婚式を欠席するときの贈り物は何を?
急な欠席の時
急な欠席の場合は、相手方に多大な負担をかけることになりますので、出席の時に包む予定だったご祝儀を、そのままお祝いとしてお届けするのが一番良いと思います。
事前に欠席でお返事した場合
この場合もお二人にとってはお金が一番ありがたいと思います。
何となくお金だけでは味気ないと思われるようでしたら次の品物はいかがでしょう。
タオル
素敵なタオルやブランドもののタオルは結構高額なので自分用にはなかなか買えません。
一方、新婚早々のお二人にはとても使い勝手の良いプレゼントになることでしょう。
食器
独身の時の食器とお二人の生活での食器には違いがあります。
独身の時にはせいぜい単品で揃えるか、あってもペアのものが多いでしょう。
一方、お二人の生活になると訪ねる方も多くなるでしょうし、両家のご両親が訪ねることもあるでしょう。
そんな時に5客セットの食器があるととても助かります。
素敵なデザインの可愛い食器を贈ったらとても喜ばれることでしょう。
直接訪ねる場合は49日の法要が済んでからにされることをお勧めします。
相手の方も一段落していることでしょうから(^^)/
まとめ
昔からの慣習や、地域の習わしも大切ですが、いちばん大事なのは当事者の気持ちです。
ただ、自分だけの考えで進めると、後から、あるいは周囲からひんしゅくをかうことになります。
結婚式はお祝いごとですから、嫌な気持ちになる人はたとえ1人でも出したくはありません。
そのためには、関係者に誠意をもってていねいに対応することが、後々のお二人の幸せにきっと結びつくことと思います(^^)/