犬のしつけで吠えるときや噛む時に叩く指導はアリ?それとも…

犬を飼っていると楽しいことも多いのですが、しつけが思うようにいかないと、どうしつけたらいいのか手を焼いて悩む場合もあると思います。

例えば、

・ご自分が飼っているワンちゃんがお客さんが来るたびに吠える。
・散歩をしていても歩いている人に向かって吠えたり、散歩している他の犬にいつも吠える。
・飼い主に対しては甘噛みをする程度なんだけど、近所の人を噛んでケガをさせてしまった。

こんな状況になると本当に困ります。

そこで、こういった悩みで困っている飼い主さんや、犬を飼ったばかりでこれからしつけをしようとお考えの方向けに、犬のしつけのコツについてまとめました。

 

最初に断っておきますが、私はドッグトレーナーのような専門家ではありません。

ただ、シェルティを15歳で天寿を全うするまで飼った者として、お伝えできることがあるのではないか、そう思っています。

 

私は長年、子ども達の教育の仕事に携わっていましたが、犬のしつけが、子ども達の躾や教育と実に似ています。

たった2つのことを除けば、ワンちゃんのしつけと、子供の躾や教育は、まったく一緒ではないかと思うほどです。

それらも参考になるかもしれませんので、必要に応じて子供のしつけのことを例にしますね。

 

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犬のしつけで吠えるのを止めさせる方法

犬のしつけの方法はネットで検索しても調べられますし、しつけ関連の本を買えば詳しく出ています。

吠えるのを止めさせる方法をちょっと調べても次のようなものを見つけることができます。

・犬のマズル(口吻、鼻と口の部分)をつかむ
・犬の首を押さえつけて床に押しつける
・犬を仰向けにして押さえつける
・空き缶に小銭を入れて犬の近くに投げる
・犬を叩く(叩く真似をする)

中にはエサを抜きにするような理解できないようなことや、タバスコスプレーや、わさびを使う方法といった一歩間違えばワンちゃんの健康を損ねるようなものもあります。

 

これらはすべて悪いことをしたときには罰を与えて教え込むという考え方で、子供のしつけや教育でも、罰を与えて指導することは実際に多くの家庭や学校で行われています。

もちろん私にもそういう経験がありますが、後で考えれば、あまり効果がないどころか、悪影響の方が多かったような気さえします。

 

犬に望ましくないことをさせない工夫

私の犬の躾において、実際にしてしまった良くなかった経験と、それをさせない工夫をあげてみます。

犬がティッシュを全部出す事件

共働きだったので日中は夫婦共に仕事に出掛け、子ども達も学校に行きますので、犬が1匹で留守番をしていました。

その間、狭いゲージに入れておくのは可哀想だったので、リビングだけを締め切って、そこに犬を放しておきました。

ある日、帰宅するとティッシュの箱から中身を全部出してしまい、さらにそれを噛みちぎって大変な状態になっていたことがありました。

犬がいたずらしないように、床に物を置かないよう注意してましたが、その日はティッシュの箱が出ていたようです。

 

もちろん犬を叱ることはしませんでした。
なぜなら悪いのは犬ではなく、ティッシュの箱を置いた家族ですから。

 

犬のユウガオ食い逃げ事件

ユウガオってわかりますか? 夏の食材として美味しい夕顔の実です。

ある日、近所の農家さんから1本いただいたのですが、帰宅すると無残な状況になっていました。

犯人は食い逃げをして知らん顔している我が家のワンちゃん以外に考えられません。

 

でも、本当の犯人は私でした。
実と言ってもとても大きいし、まさか犬が食べるとは思いもせずにうっかり床に置いたのは私でしたから…。

これで犬がお腹を壊したり、置いたものがタマネギやブドウなど犬が食べると中毒を起こす恐れのある食材だったらと思うとゾッとしました。

 

犬を叱る原因を作らない

対処法は言うまでもありません。
床や犬の届くところに、いたずらしたり、食べたりしては困る物を置かないことです。

 

ティッシュの中身を出すのは犬にとって遊びです。
床にあるものを食べるのは、そこに食べられるものがあったから食べたに過ぎません。

これを「犬が吠えて困る」ことに当てはめて考えてみました。

①犬は家族に不審者を知らせるために役にたとうとして吠えているかもしれません。
②「遊ぼうよ」「もっと遊んで!」と一生懸命吠えて訴えているのかもしれません。
③吠えると飼い主さんが慌てて大声を出すこと飼い主さんが喜んでる、よしもっと喜ばせようそう思って吠えているのかもしれません。

そこで、こうなる前にたくさん遊んであげて②のような状況を作らないよう心がけることはできそうです。

もちろん、来客をすべて断ることは出来ませんが、少なくても人間である飼い主が犬に勘違いをさせる反応をしないことで、③もを止めることはできそうです。

では、それ以外に方法はないのか、あるいは人を噛んでしまうといったもっと困った状況になったらどうすればいいのか、これらについては次の章をお読みください。

 

犬のしつけで噛む場合はどうすればいい?

犬が吠えるのはまだいいとして、犬が人を噛むようになってしまってからの対処は難しくなると思います。

一番いいのは吠えたり噛んだりしないために、そういった状況になる前に大切な3つの基本を押さえることです。

犬を育てる大切なこと① 犬に愛情を注ぐ

よく乳幼児にスキンシップが大切と言われますが、ワンちゃんも同じではないでしょうか。

まだ生後数ヶ月の子犬が親犬と引き離されて、まったく知らない家で飼われるのですから、寂しいでしょうし不安もあるでしょう。

犬はもともと群れで暮らしていた種ですから、群れから外されることを嫌います。
ですから、家族である人間が子犬を放置することは犬にとって相当のストレスです。

抱っこしたり、ブラッシングしたり、アイコンタクトをしながら褒めたり、とにかく可愛がります。

 

人間の赤ちゃんであれば、お腹が空けば泣くし、オムツが汚れて不快になれば泣いて教えてくれます。

でも、犬は我慢強いので、不快な状況でも人間にはなかなかそれが伝わってきません。

最近は外飼いの犬をあまり見なくなりましたのでワンちゃんが過ごす環境は良くなっていると思いますが、、家の中にいても暑い夏はエアコンを付けたり、寒い冬にはヒーターをつけるなど、

たとえ赤ちゃんのようにワンちゃんが訴えてこなくても、過ごしやすい環境を作ってあげるのも犬に対する愛情だと私は思っています。

 

犬を育てる大切なこと② 犬を散歩させる

犬に散歩はつきものですが、時として飼い主の負担になることもあります。
でも、ワンちゃんにとって散歩がとても大切であることを犬のしつけ教室の先生に教わりました。

散歩にはとても大切な2つの側面があるそうです。

犬の散歩による運動の役割

いつも元気で夜もなかなか寝ないで困る人間の子供も、遊園地などで1日中歩き回ってクタクタになれば、夜はグッスリ寝てくれます。

犬も同じで、そのワンちゃんの犬種や年齢、状態に合った適切な運動を散歩で行うのがとても大切、ワンちゃんにとって散歩はとても大切だそうです。

 

犬のストレスや欲求不満を解消する散歩

教わる前までは知りませんでしたが、犬にとっての散歩の意味は、ただ運動量を確保することだけではないそうです。

だから、人間のように部屋の中でランニングマシンで走らせてもダメなんです(^^;)

 

散歩の時にはいろんな刺激が犬に入ってきます。

周囲の風景、歩いている人、走っている車、散歩している他の犬、これらが目から犬を刺激します。

また聞こえてくる音もすべて刺激となりますし、風が運んできてくれる臭いも大切な刺激です。

これらの刺激が犬の脳を活性化させ、これらの刺激を受けることで犬はストレスを発散させる、これが散歩の2つめの役割だということです。

 

犬を育てる大切なこと③ 適切なしつけをする

犬を飼う方みんながしつけが大切だということを知っていることでしょう。

私もそうでしたが、「では、犬のしつけって何?」と言われると返事に困ります。

 

これも犬の躾教室の先生に教えてもらいましたが、
人間の社会で一緒に暮らすルールを犬に教えることだそうです。

だから、やって良いことしてはダメなことを教えるのが大切なのであって、

よく言われるような順位付けとか、主従関係といったことは必ずしも的を得ていないらしいです。

 

犬を極力叱らなくするための工夫

まず一番大切なのはダメなことを犬がしないで済む工夫です。

先に書いた私の失敗のようなイタズラの原因となるものを犬の届くところに置かないといったことなどです。

人間の場合であれば、親がゲームをたくさん買い与えたおきながら「ゲームばかりしているんじゃないの!」って叱るようなことをしないことと一緒です(^^;)

 

犬がダメなことをする前に教えてあげる工夫

犬をよく見ていると、オシッコをしたくなった時の様子がわかると思います。

ですから、トイレトレーニングの時は、してはいけない所にオシッコをしたワンちゃんを叱るのではなく、オシッコに行きたそうな仕草を見せた時にすぐにワンちゃんのトイレに運んであげてオシッコをする場所を覚えさせます。

それと同じように、犬がやってしまった後で叱るのではなく、犬が望ましくない行動をしようとした瞬間に「ダメ」と短く強く言って止めさせることを数回行うだけでも覚えることがありますし、子犬の時には特に有効でした。

 

ダメなことをしたときに叱るのは最低

そうは言っても、ワンちゃんと四六時中一緒に居ることはできませんから、上記の2つが大切であるとわかってもいつも出来ることではありません。

当然、その時は後で叱ることになりますが、犬のダメな行動をした時点から時間が経てば経つほど効果がなくなります。

人間だって、保育園に通っているような年頃の子に、「この前の日曜日の○○は絶対にダメだからね」と言っても「???」となるのと同じです。

 

犬のしつけと子供のしつけの違う点①

最初に、犬のしつけと人の子の躾に2つ違いがあると書きましたが、その1つは、

犬は人間の言葉を理解できないということです。

広い世界には人間の言葉を理解できる犬があるいはいるかもしれません。
でも、ほとんどの犬は言葉を理解しているのではなく、人間の言葉と飼い主が喜ぶ自分の行動を結びつけているだけではないでしょうか。

飼い主が喜ばない、怒る時の言葉も同様です。

だから子供には
「いい? 今度からご飯の前におやつを食べちゃだめだからね。おやつを食べちゃうとご飯が食べられなくなっちゃうでしょ!」
と言い聞かせることはできますが犬には通用しません。

 

よくいらっしゃいますよ、こんな飼い主(^^;)

「ほら、吠えちゃダメよ。大切なお客さんなんだから、わかった?」

いいえ、犬はわかりませんから(^^;)

 

ですから、我が家の場合は、飼っていた犬を褒めるときは「いい子!」と繰り返しながら声をかけ、身体をなで回したり、

叱るときは犬の目をきちんと見て、「ダメ!」と短く言うようなことを、家族全員で同じようにするよう心がけました。

 

幼い子供がよくお母さんから「何度言ったらわかるの!」と叱られる場面を目にします。

たいがい大人にとっては当たり前に理解できることが、お子さんの年齢によっては十分理解できる前提となる知識や経験がないことがあります。

賢いと言われるワンちゃんでも、人間の言う言葉が長くなればなるほど、その都度かけられる言葉が違えば違うほど、内容の理解は難しいでしょう(^^;)


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犬のしつけで叩くのってアリ?

こうやって犬を叩くしつけっていいの?と調べていらしゃる時点で、あなたは素晴らしい飼い主さんであると思っています。

 

きっと、ここまで読み進めてきてくださったあなたは犬のしつけで叩くのはダメだと思っていることでしょうが、

その通りだと私も思います。

 

「いいえ、吠えるくらいならいいけど、うちの犬を噛むんです。だから、そんな叱り方では通用しないと思って…」

あなたが私の親しい方なら私はきっとこう言います。

 

「もうさぁ、犬のしつけ、ちょっと失敗しちゃったよね。今からでも遅くないからさ、しつけ教室に通うとか、ドッグトレーナーに見てもらった方がいいんじゃない!」

 

私はシェルティを飼っていました。

オスワリ、オテ、フセ、マテ、オイデ 位しかできないワンちゃんでしたし、時には玄関チャイムに反応して吠えることもありました。

でも、人を噛むことは絶対にしなかったし、散歩の時に人様や他の犬に向かって吠えることもありませんでした。

ですから、散歩している時に、お母さんに連れられた幼い子供が興味津々で寄ってきても安心です。

「オスワリ」をさせて、そのお子さんから自由になでなでしてもらうことができました。

 

犬のしつけで吠えることや噛む時に叩くことについてのまとめ

今は亡きワンちゃんですが、彼女の人生(犬生)はきっと幸せだったと思っています。

家族はもちろん、近所の人とか、大勢の人にたくさん可愛がってもらいまいしたから(^^)/

 

振り返って見れば、失敗したこともあったけど、ここに書いた犬を育てる大切な3つのことがある程度出来ていたのではないかとホッとしている次第です。

・玄関のピンポンがなった時に飼い主が大騒ぎしたのを「飼い主が喜んでいるぞ」と勘違いして、もっと吠えたら飼い主に叩かれた。

・暑苦しいところで、狭いケージに長時間いてストレスがたまっても散歩に連れて行ってもらえない。

・何かをしても放っておかれたり叱られたり、私の飼い主はいったい何が言いたいのかわからない。

・いつも叩かれてストレスがたまっていたので、私を攻撃しない子供を軽く噛んだら、大泣きした。あいつは弱いからイライラしたらまた噛んでやろう。

ペットである犬は飼い主を選ぶことができませんから、こんな飼い主に当たったワンちゃんはとても可哀想です。

 

最初に、人間の子育てや教育と犬のしつけの大きな違いが2つあると書きました。

2つ目の違う点、それは犬とは一生付き合うということです。

人間の場合は順当に行けば親が先にこの世を去ります(^^;)
ですから、子供が親の手を離れて、自分で考え自分で決断しながら自分の人生を創り出していくことができます。

 

でも、ワンちゃんの立場から言えば、良い飼い主であっても、悪い飼い主であっても、一生付き合わざるを得ません。

ワンちゃんが幸せな一生を過ごすのも、不幸な一生を過ごすのも飼い主次第、

どうぞワンちゃんといつも笑顔で一緒にいることができるような素敵な関係を作っていってください(^^)/

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