早期教育のメリットデメリットは親のやり方次第 勉強のやる気を育てる

建設会社を経営している方から孫の英語教育についてのアドバイスを求められました。
彼は、建設会社の後継者に二男を選び、やさしい人柄の長男が経営できるように福祉法人を作ったやり手ですから中途半端な助言はできません。

その経営者に伝えたことを含めて次の内容をまとめました。

子供の英才教育、早期教育のメリットデメリット
デメリットは怖いですが、これさえ押さえておけば大丈夫です。
タイガーウッズは決して英才教育ではなかったんです。

早期教育は親の意識とやり方が大切というお話
内村航平選手のコンテナ生活に秘密があります。

勉強をやる気にさせる方法について
石川佳純選手の母の自分勝手が彼女を育てた?

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早期教育のメリットとデメリットを知っておくと

孫の英語教育の相談を受けた経営者に勧めた方法

孫の英語教育について伝えたアドバイス

最初にお話しした経営者の方ですが、さすが手広く事業をしているだけあって自分の子どもについても見る目があります。

簡単に経営者のことについて触れます

彼には2人の男の子がいるのですが、性格は大きく違ったそうです。
すでに建設会社を経営していた彼は、性格的に向いている二男を早くから会社に入れて鍛えました。

福祉法人を立ち上げるのには多額の資金が必要なんだそうですね。
彼は経営していた会社から1億円、そして私財から1億円を拠出して福祉法人を作り、現在は老人介護施設を中心に複数の施設を運営しています。

もちろん、温厚でやさしい人柄の長男のために作ったわけではないでしょう。
でも、将来、長男が理事長になる可能性はとても大きいと思っています。

お孫さんの英語教育について

今までも何回となく相談に乗ってきたのですが、今回の内容は「これからは広く国際社会で活躍できる人材が必要となる。そこで孫に英語教育をしたいのだが…」というものでした。

そこでお伝えしたポイントは次の4つ

✔ 親を含め外からの力で行う英才教育は避けた方が良い
✔ 子どもの教育で一番大切なのは「学ぶことは楽しい」「できるようになると面白い」を多く体験させること
✔ 英会話教室に通わせるのも家庭教師をつけるのもダメ
✔ 自宅で英語に楽しく接することができる環境を作りましょう

結局、教員時代の知り合いの協力を得て、留学生で子どもとのコミュニケーションが上手な2人の女性を紹介し、毎週その家庭に遊びに行ってもらうことにしました。
そして、子ども達と彼女たちが自然に仲良くなる環境、英語と日本語が飛び交う楽しい環境を作ることにしたんです。
こうすることで年齢の異なる3人のお孫さんが、単に英語を学ぶのではなく異文化にも触れて視野が広がることが期待できます(^^)/

英才教育は子どもが親の犠牲になる危険性もある

野球やテニスを始めスポーツ選手が活躍したニュースを見ると、親がそのスポーツをしていて子どもが幼い頃から野球漬け、〇〇漬けにして育てたという話が出てくることがあります。
そして、「子どもの頃は嫌だったけど、今の成功があるのは親のお陰で感謝しています」といった本人の言葉が紹介されることも多々あります。

でも、私は思うんです。
「その人は成功したからそう言えるけど、それってほんの一握りなんだろうな、多くの人は活躍できないまま競技をやめるんだろうな」…と。
もちろん、競技で成功できなくても得るものはあって親に感謝している人も多いでしょうが、中には「親の犠牲になった」「自分は親の夢を実現できなかった」と思っている人もいるかもしれません。

スポーツに限らず、小学校低学年とかそれより前から「お受験」をさせて、夜も遅くまで勉強させたり、土日もなく勉強させては可哀想だと思うんです。

ですから、私は英才教育にあまりいいイメージはありません。
でも、早期教育には大賛成なんです(^^)/

三つ子の魂百まで

「三つ子の魂百まで」ということわざは性格についてのものですが、私は「子どもの頃に得たものが大切」とずっと思っていました(^^;)

それは脳の発達が3才までに完了するという話を聞いたことがあるせいかもしりません。
調べてみたら随分前のものですが興味深いものがありました。

ユニセフ2001年世界子供白書
子どもが3歳になるまでに脳の発達がほぼ完了する。新生児の脳の細胞は多くの成人が何が起こっているかを知るずっと前に増殖し、シナプス(神経細胞相互間の接続部)による接合が急速に拡大して、終生のパターンがつくられる。わずか36カ月の間に子どもは考え、話し、学び、判断する能力を伸ばし、成人としての価値観や社会的な行動の基礎が築かれる。

タイガーウッズは英才教育ではなく早期教育?

2018年、タイガーウッズがウッズが5年ぶりで復活優勝し、80勝目をあげました。
彼はすべてのメジャー大会に2勝を挙げる「ダブル・グランドスラム」を達成しており、ジャック・二クラス以来二人目となる偉業を成し遂げた人です。

彼のゴルフについて「英才教育された」と思っている方がいるようですが、きっかけはまったく違います。
それは、タイガーは最初左利きでクラブを振っていたことからわかります。

タイガーの父親は彼が生まれる二年ほど前からゴルフを始めました。
そして毎日のように自宅ガレージでスイングの練習をします。
そしてタイガーは生後半年ほどの頃から父親の練習を見て育ったそうです。
やがて、多くの子どもがそうであるようにタイガーもお父さんの真似がしたくなり、父親が子供用のゴルフクラブを買ってあげたということです。

そのため、練習用の鏡に映っている父親を見て真似をしたので、左利きで打つようになったんです。
もしかしたら父親は自分の練習の邪魔をされないようにクラブをタイガーに買ってやったのかもしれませんね(^^;)

もっともタイガーに才能を感じた父親は4歳の時からゴルフ・インストラクターの指導を受けさせていますので、これが英才教育だと言えばそうなんですけど(^^;)

早期教育にデメリットなんてない

・名門私立中に合格したけど途中で挫折し不登校となり、親に私の子供時代を返して!と言って引きこもりになっている。
・野球の英才教育を受けて中学では活躍するものの高校時代は怪我のため野球ができなくなり結局高校も中退した。

これらは英才教育の犠牲者とも言えますが、早期教育にはデメリットはないと思っています。
ユニセフの言葉を借りなくても3才までに子どもが大きく成長することに間違いはありません。
この段階、つまり早期に子どもの将来を見据えた教育をしていくことに何らデメリットはないのではないでしょうか。

あるとすれば、親が子どもの意欲や気持ちを考えずに無理強いした場合でしょう。
では、どうすれば早期養育の悪影響を無くし、危険を避け、失敗しないでできるのか。
どうすれば弊害を無くして早期教育が成功するのか、続きをお読みください。

早期教育は親の意識とやり方次第で…

体操で活躍している内村航平選手の例でお話しします。

内村航平はコンテナ生活が原点?

内村航平選手の家族は、彼が3歳のときに両親が体操教室を開くために長崎県諫早市に引っ越したそうです。
お母さんの実家が諫早で、借りていた土地があったので、そこに船舶運搬用の大型コンテナを四つ並べて、自宅兼体育館にしたということです。

コンテナハウスは狭く、練習場のマットや鉄棒を片づけて、そこに布団を敷いて寝ていたというから苦労されたんですね。
まぁ、寝起きしているすぐ横に体操の器具があるわけですから、内村航平さんにとっては自然とそこが遊び場になり、鉄棒にぶら下がったり、マットで前回りしたりしていたようです。

お父さんは彼のことを次のように語っています。

「才能とかは、全然なかったですね。なかったというより、わかりませんでした。いまでこそ航平が体操選手になってそれなりの成績を残してるから、「さぞかし、小さいころから……」と思われるでしょうが、まったく小柄の普通の子でした。」

「諫早で体操教室を始めたころは、家族が生活するので精いっぱいでした。体操教室だけでは生活できなくて、僕がうどん屋でアルバイトをしていたぐらいですから。午後3時ごろまでうどんを作って、それから体操を教える。体操教室が軌道に乗るまで、2、3年はかかったんじゃないでしょうか。」引用:asahi.com(朝日新聞社)

もちろん、その後はお父さんがコーチとして彼を育てていくのですが、内村航平選手の活躍の原点は英才教育ではなく、体操器具に囲まれ遊びとして始めたことお父さんお母さんが必死になって体操に取り組んでいる姿を見て育ったことにあると言えるのではないでしょうか。

早期教育で成功する親の意識

一言で言えば、早期教育の成功には良好な親子関係が必要です。
そして「本人が興味を持って自分の意志で始めること」と「親が意欲を持って取り組んでいる姿」が大切なのではないでしょうか。

タイガーウッズの父親はゴルフの練習を一生懸命やっていて、それを見た彼はゴルフに興味を持った。
内村航平選手は体操器具に囲まれたコンテナで生活していて、体操教室の立ち上げに必死に取り組む両親を見て育った。

そして、次に紹介する石川佳純選手の場合も母親と卓球の関係で同じようなことが言えます。

早期教育は良好な親子関係が基本で、家庭において楽しく取り組める環境が大切です。
例えば読み聞かせにしても、本が大好きでその魅力を知っているお母さんからいつも読んでもらっていれば、本が大好きで学習意欲のある子どもが育ちそうですね(^^)/


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勉強をやる気にさせる方法

石川佳純選手のお母さんが子育てを頑張って、英才教育に力を注いでいたら、彼女は活躍できなかったかもしれません。

石川佳純のやる気を育てた母の方法

彼女のお母さんはOL生活を送り実業団の卓球チームで活躍していていました。
そして長女の佳純さんを身ごもり夫の転勤で見知らぬ山口市へ来ました。

ところが、佳純さんが生まれるとお母さんの生活は一変します。
佳純さんはベッドに寝かせれば泣く、ひとりにすると泣く、母親の顔が見えないと泣く…。
しばらくすると夜泣きが始まり、完全母乳なので夜中に4、5回は起こされ、「7時間続けて眠りたい」それが最大の夢だったそうです(^^;)

そんな「自由時間ゼロ」の母親に、「卓球をもう一度やってみない?」とささやく友人がいて、
旦那さんの協力を得て時間を作り出し卓球の練習を再開したんだそうです。

そして、子育ての苦労も孤独感も、球を追っている間は忘れられ、のめり込んでいったそうです。
そんな母親の猛練習を見ていた佳純さんが「私にもやらせて」と言ってきたのは小学1年生の時。

その時のことをお母さんはこう言っています。
「困るなぁ、私の練習時間が減ってしまう。苦労してひねり出しているのに」
お母さんは、子どもの教育ではなく自分のことを考えていた(^^;)

そう、佳純さんは卓球をやらされたのではなく彼女自身の意志で始めたわけです。
その頃、母親は週に3、4回、夜2時間ほど練習をしていたそうなんですが、それ以来、しかたなく最後の10分ほどを佳純さんのために使うことにしたそうです(^^;)

佳純さんはなぜ卓球に興味を持ったのでしょう?
塗り絵や縄跳びより、お母さんが脇目もふらずにのめりこんでやっている卓球が面白そうに見えたからではないでしょうか。

勉強をやる気にさせる

先ほどの石川佳純さんは、卓球だけをやっていたわけではないんだそうです。
3歳ごろからバレエ、水泳、ピアノ、それに学習塾にも通っていたというから驚きです。

それもすべて佳純さん本人が「やりたい」と言って始めたのだったが、すべて「やっぱりやめる」と言ってきた。最後まで残ったのが、卓球だったということです。

子どもの勉強のやる気を出す魔法の言葉はありません。
「勉強しなさい」と言って勉強するなら誰も苦労はしません(^^;)

ここに引用したタイガーウッズ、内村航平選手、そして石川佳純選手のいずれもスポーツの例ですが、勉強も同じではないでしょうか。

勉強のやる気を起こすのは親の姿勢や環境が大きいのではないか、ということが想像できます。

✔ お母さんは暇があれば楽しそうに読書をしている
✔ お父さんは何かを思いつくと夜中までいろんな調べ物をしている
✔ ママは月に何回か料理教室に行き、新しいメニュー、美味しい料理を楽しそうに作っている
✔ パパは仕事の幅を広げるんだと言って週末になると英会話教室に通って生き生きしている

小学生や中学生が勉強のやる気を出す家庭って案外そんな家なのではないかと思います(^^)/

早期教育のメリットデメリットや親のあり方、勉強のやる気を育てる方法のまとめ

子供向けの通信教育で素晴らしい教材を提供しているところがあります。
我が家には2人の男の子がいて、彼らが小学生の頃にそれをさせたのですが結局長続きしなかったですね(^^;)

理由はハッキリしています。
「私(親)が子どもにやらせたから」です!

子どもの早期教育には大賛成ですが、「子どもの興味関心を育てる」ことや「子どもの才能を見つける」ことが大前提だと思います。
そして、遠回りのようですが、私たち親自身が楽しく真剣に打ち込む何かをもっていることが一番の早期教育なのかもしれませんね(^^)/

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