インフルエンザの時には水分補給が大切だと言われます。
では何をどれくらいの量飲めばいいのでしょうか?
飲んでもすぐに吐いてしまう場合の対応や上手に水分補給をする方法をまとめました。
インフルエンザの水分補給の目安はどれくらい?
通常、1日に必要な水分量(飲んでとる量)
区分 | 体重 | 飲む水分量(500mlペットボトルなら) |
大人 | 60kg | 1,500ml(3本) |
子ども | 20kg | 800ml(2本弱) |
幼児 | 12kg | 600ml(1本強) |
乳児 | 5kg | 350ml(1本弱) |
※わかりやすいように概算数字にしましたので目安としてください
※1日の水分摂取必要量の半分は食事でとったり、体内で作られることを前提として、飲む量だけにしてあります
調べれば計算式もありますし、年齢ごとにまとめた表もあるようですが、わかりにくいので、1日に飲む必要量の概算数字を表にまとめました。
厚生労働省が後援している「健康のため水を飲もう」推進委員会の資料等を参考にしていますが、条件によって数値は変わりますので目安としてください。
こんな時は水分補給を多めに
汗をたくさんかいている
先に示した表は通常の場合の水分摂取量をまとめたものです。
インフルエンザにかかって、汗をたくさんかいているようであれば当然、水分補給を多くする必要があります。
食べ物を受け付けないので食事を食べていない
インフルエンザにかかって高熱が出ているときは食べ物を受け付けない時も多くあります。
通常の場合であれば、必要な水分量の約40%は食べ物から摂取しています。
ですから、食事を食べられない時は、その分を飲む量でカバーする必要があります。
下痢をしている
インフルエンザに罹患して下痢になったときは、トイレの回数を減らしたいので水分を摂るのを控えたくなることもあります。
でも、下痢を抑えたいために水分を控えることはおすすめできません。
むしろ、失われた水分を補給することがとても大切になります。
先に紹介した資料にある私たち人間は体から大量の水分が失われた時の症状です。
- 5%の水分を失うと脱水症状や熱中症などの症状が出ます
- そして10%失うと筋肉の痙攣や循環不全などが起こります
- さらに20%失うと死に至ることもあるようです
水分不足にならないように十分見守っていきましょう。
インフルエンザの水分はお茶でもいいの?
避けたい水分・避けたい飲み方
- 冷たい水を一気に飲む 胃腸に負担をかけます
- ジュースをたくさん飲む 吸収に時間がかかり糖分の取り過ぎになる
- 牛乳を飲む 消化に時間がかかり胃に負担がかかる
望ましい水分・おすすめの飲み方
- ぬるめの白湯や番茶を少しずつこまめに飲む
- 常温のスポーツドリンクや経口補水液を少しずつこまめに飲む
白湯の作り方
- 水道水をやかんに入れて沸騰させる
- 中火で10分ほど沸騰を続ける
- 火を止めて冷まし、50℃位の温度に下がったら完成
※お子さんはもう少し冷ましてもいいでしょう。
※飲みやすいからといってあまり冷やしすぎないようにしましょう
経口補水液とスポーツドリンクの違い
経口補水液
経口補水液は体液とほぼ同じ浸透圧にしてあるので、飲む点滴と言われることもあるほど吸収率や吸収速度に優れています。
特長としてはスポーツドリンクに比べて電解質(塩分)が多く、糖分が少なくなっていますので、インフルエンザの水分補給におすすめです。
スポーツドリンク
スポーツドリンクも浸透圧を調整して胃腸への負担をかけずに吸収速度をあげるようにしています。
このため、経口補水液が飲みにくいからといって水で薄めたり、何かを加えると必要な電解質がとれなくなったり、吸収速度が遅くなったりしますので、そのままで飲むことがいいです。
経口補水液に比べると糖分が多く、電解質が少なめになっているものが多いようです。
※お子さんが経口補水液に飽きたら交互に飲ませて変化を持たせるるといいです。
インフルエンザの水分がとれない時の工夫
水分をとるのに水などを飲むだけとは限りません。
食べ物や果物からも水分を摂ることが出来ますので、できるだけ変化を持たせて上手に水分をとるようにしましょう。
食事で水分をとる
具合が悪いときでも比較的食べやすいのは、おかゆとうどんです。
おかゆ
おかゆはご飯を炊く要領で水分を増やして炊きます
おかゆの種類 | 水の量(米1合の場合) |
全粥 | カップ5杯 |
七分粥 | カップ7杯 |
五分粥 | カップ15杯 |
おかゆの作り方
- お米をといでざるにあげておく
- 鍋にお米を入れ、上記の表の水を入れる
- 強火で火にかけ、沸騰したら米が踊らない程度に火加減をみる
- 30分ほどかけてゆっくりと炊いて完成
※吹きこぼれないようにふたをとらないことと、かき混ぜないことがポイント
※少し塩を入れたり、梅干しなどをトッピングすると食べやすくなります
※完成間際に溶き卵を入れて卵粥にすると子どもも食べやすくなります
※全がゆ以外は食べると言うよりすすって飲む感覚に近くなります
※時間をかけられないときは、炊いてあるご飯をやわらかく煮込んで代用します
煮込みうどん
<材料 1人分>
うどん1玉、うどんだし適量、卵1個、野菜少量
- 水を入れた鍋を火にかけ、出汁の素と固い野菜を小さめに切って入れて煮ます
- 他の野菜も小さめ(2cm程度)に切って加えてさらに煮込みます
- 野菜がやわらかくなったらうどんを加えます
- 最後に溶き卵を回しかけて火を止めます
※野菜は、にんじん、ネギ、椎茸やエノキタケなどのキノコ、ほうれん草など何でもOK
※ただし、お子さんの場合は嫌いな野菜を入れないことと負担にならないよう少量にします
※人参など固いものは早めに入れてやわらかくしましょう
※卵は半熟程度が一番消化が良いです
※材料は一人分としましたが、具合の悪いときに一度にたくさん食べることはおすすめしませんので、少量ずつ食べるようにしましょう
果物で水分をとる
果物には水分が多いものがたくさんあります。
すりおろしりんご
- 皮をむきヘタをとって塩水に入れます
- すりおろし器ですりおろし、スプーンで食べます
※塩水に一旦つけると色が悪くなりにくいです
※消化もよく栄養価もあり、食べやすいので一番のおすすめです
りんごバナナジュース
- バナナを適当な大きさに切ってリンゴジュースと一緒にミキサーに入れて作ります
- リンゴジュースを最初に手作りすればさらに良いです
※水分が足りなくてジュースになりにくかったら豆乳を少し加えるといいです
※牛乳は消化があまりよくないので混ぜることはおすすめしません
※糖分も気になるので果物だけにならないように心がけましょう
まとめ
家族がインフルエンザにかかると、とても心配になります。
万が一、水分を与えた後に吐いてしまったらどうしましょう?
そんな時もあわてずに、しばらく間をおいてから、また与えてみましょう。
その場合、吐いたときと同じ飲み物は避けた方が良いでしょう。
たとえばスポーツドリンクを飲ませて吐いたなら白湯を飲ませてみるとか、必ず変えてあげましょう。
吐く動作も体力を使いますが、吐くことによってさらに水分が失われます。
経験上、吐くことでちょっとスッキリして、しばらく時間をおくことで、吐かずに飲めることが多いです。
ただ、くれぐれも一度にたくさん飲ませることは避けてください。
インフルエンザにかかって医者に診てもらったら、あとは家で安静にして治るのを待つしかありません。
よく「水分補給」「水分を多めに」と言われますが、何をどうやって飲めばいいのかが意外とわかりにくいものです。
私自身、子育てをするなかで、経験上良いと思われる方法をまとめてみました。
参考にしていただければ幸いです。